多くの人が羨む職業の条件として「高収入が稼げること」という条件が挙げられるが、生涯を通してみれば、必ずしもその表舞台で華々しい生活を送るプロフェッショナルたちが金銭的に恵まれているとは限らない。
人の所得ランクを表す指標としては「年収」が基準とされるが、これは年単位の収入の状況を表しているデータであり、全体のほんの一部の情報にしかすぎない。
もし自分が本当に高収入を求めているのであれば、年収ではなくて「生涯収入」でそれぞれの職業を比較検討してみるべきだと思う。職業によっては投資期間は長いが、リターンが大きいものもある。
スポーツ界で高収入を稼げるプロ野球選手が挙げられる。
その中で最も給料が高いといわれる選手ならば平均年俸は1億円を超している。そこだけをみれば、とても魅力的な職業のように思えるが、プロ野球選手の生涯所得を統計値でみると約2億9千万円、これは大卒サラリーマンの生涯賃金よりも若干高い程度である。大卒サラリーマンの生涯所得は約2億5千万。
プロ野球選手の平均選手寿命は9年とかなり短い。たった9年で約2億9千万円もの収入を稼ぐのだから大したものだが、人生を80年として考えれると引退後の資産計画が必要になる。このように、それぞれの職業を「生涯所得」という長いレンジで考えてみると、華やかさの先入観を除外して冷静にそれぞれの職業をみることができる。
“太く短く稼ぐ”を選ぶか“細く長く稼ぐ”かは個人の判断になるが、職業を選ぶときは「年収」と言う基準ではなく「生涯収入」を考えるのも良いのではと思う。
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